ヒューズ 500/OH-6 

 

米軍の観測ヘリ競争にベルOH-4(ジェットレンジャーの原型)とヒラーOH-5に勝った機体。外見のかわいらしさとは裏腹にたいした高性能機である。

卵形のキャビンは空気抵抗が少なく、高荷重にもめっぽう強い。

ローター構造もストラップパックという、薄い金属板を幾重にも重ねたものでその応力を受け持つという革新的アイデアによって、小型機向きな軽い全関節ローターを完成させた。それにより恐るべき高機動性をそなえ、宙返りすら可能である。この構造はAH-64アパッチにも採用されている。

このヘリが日本の航空会社に導入された当初、皆がその機動力に心酔し、前述のストラップパックをばんばん切ったそうである。ちなみにそう簡単に切れるもんじゃない(笑)。

しかし、このヘリは全天候性もへったくれもあったもんじゃない。VFRに異常に特化してるのである。たとえば雨天時に飛べば、雨漏りがすごい。これについてメーカーの回答は「そりゃ、雨の中を飛んだからだ」であったという。
陸上自衛隊機は暗視装置を取り付けさらに有視界飛行時の能力を向上させている。イラストの機体に暗視装置はついてないが、現物はなかなかごてっとしててカッコ良かったぞ(笑)。

機体構造は性能と相応すると、恐ろしく簡単である。油圧装置すら付いていない。でもスティックにはフィードバックもないという優れものである。

ちなみにエンジニアをはじめとして、ヘリの有識者はこのヘリを諸手を挙げて賞賛する。

スタビレータにスラット取り付けたり、へんな小細工でお茶と濁す機体の多い中、こんなに単純、かつ高性能であるというのはいかにエンジニアの狙いが大当たりで、開発サイドが優秀だったかを物語り、機械好きを新底惚れ込まさせる・・・・のだが・・・

みなさん、空を見上げてほしい。これのかつてのライバル機ジェットレンジャーとH500、どっちを目にするだろうか?
つまり道具というのはこういうものなのである。いかにすぐれた洗練された構造でも、使いにくければどうしようもないのである。言うなればタクシーにスポーツカー買うハイヤー業者はいないのである。

結局米軍もジェットレンジャーに乗り換えてしまった(この機体の名誉のためにいっておくと、性能はOH-6の方がずば抜けてよく、本当だったらOH-6の方が割安だったから、最初は米軍はOH-6を選んだのだ)。

ちなみにこの機体がヘリの航続距離世界記録を持っている。